ART LAN @ ASIA アジアの新★現代美術!!
■ART LAN @ ASIA アジアの新★現代美術!!
ZAIM開館一周年記念
アーティスト増山麗奈氏がキュレーターをつとめる展覧会。カタログを見ると、政治とは裏腹に現代美術の分野では東アジアのアートシーンはここ数年ヤヴァイくらいに盛り上がっていた、とある。それが具体的に何を指すのかはわからないが、確かにここ数年、韓国や中国の若手現代美術作家の作品を目にする機会はかなり多かったし、交流展や国際展を通して紹介される数も増えているのは事実だろう。しかし、それらの展覧会と今回の展覧会は何が違うのか、その差異をあまり感じることができなかった。
会場のZAIMは、横浜市が管理する元関東財務局だった施設ということで、展示室がいわゆるホワイトキューブではない。それが良く作用する場合もあるとは思うが、今回はむしろその逆で、壁面の汚れや天井高の低さが気になってしまった。中国人作家Qui Anxiongのアニメーション作品では、よく学校で見かけるような映写スクリーンが一つ置かれ、その前にはそれほど人が来ないにもかかわらず、中途半端な古さの椅子が20脚ほども置かれていた。その光景を含めて作家が意図したものならば文句は言えないが、今回の場合は誰かが意図して置いたとは思えない状況だった。韓国人作家ナンシー・ランも、本展に出品している作品は平面作品のみ。過去のパフォーマンスやイベントの模様がわかるドキュメントがあれば、より一層彼女のお騒がせ度とポップさが伝わったのでは?と思うと残念だった。
ちなみに一番印象に残っているのは、韓国人作家イ・スンエの「Ahchoo〜Yurimon, Started Productive Cough at Last.」と中国人作家Liu Xiaodongの「Under the Cherry Blossom」。イ・スンエの作品は、黒とオレンジの限られた色彩で描かれた複雑で有機的なモノが画面からはみ出し、壁面にも伸びている様がとても美しく適度な緊張感を感じさせ、上記のような展示空間の負の要素を全く感じさせない完成度ある空間を作り出していた。Liuの作品は、森の中にある桜の木の下で女体盛りを囲む中年男性の図(作家による発案)、というあまりにも滑稽な図ではあったが、その絵がどれくらいの早さで描かれていくのかを示すドキュメントもあり、絵画として鑑賞するのではなく、パフォーマンスとして考えるとなかなか興味深い。
辛口コメントになってしまうが、見終わってカタログを眺めていても、やはりなぜこの人選だったのか、特に日本人作家の人選については?マークが浮かんでしまう展覧会であった。
『ZAIM開館1周年記念 「ART LAN@ASIA」』
会場: ZAIM
スケジュール: 2007年04月21日 ~ 2007年05月13日
住所: 〒231-0021 横浜市中区日本大通34
電話: 045-222-7030 ファックス: 045-662-0509
ZAIM開館一周年記念
アーティスト増山麗奈氏がキュレーターをつとめる展覧会。カタログを見ると、政治とは裏腹に現代美術の分野では東アジアのアートシーンはここ数年ヤヴァイくらいに盛り上がっていた、とある。それが具体的に何を指すのかはわからないが、確かにここ数年、韓国や中国の若手現代美術作家の作品を目にする機会はかなり多かったし、交流展や国際展を通して紹介される数も増えているのは事実だろう。しかし、それらの展覧会と今回の展覧会は何が違うのか、その差異をあまり感じることができなかった。
会場のZAIMは、横浜市が管理する元関東財務局だった施設ということで、展示室がいわゆるホワイトキューブではない。それが良く作用する場合もあるとは思うが、今回はむしろその逆で、壁面の汚れや天井高の低さが気になってしまった。中国人作家Qui Anxiongのアニメーション作品では、よく学校で見かけるような映写スクリーンが一つ置かれ、その前にはそれほど人が来ないにもかかわらず、中途半端な古さの椅子が20脚ほども置かれていた。その光景を含めて作家が意図したものならば文句は言えないが、今回の場合は誰かが意図して置いたとは思えない状況だった。韓国人作家ナンシー・ランも、本展に出品している作品は平面作品のみ。過去のパフォーマンスやイベントの模様がわかるドキュメントがあれば、より一層彼女のお騒がせ度とポップさが伝わったのでは?と思うと残念だった。
ちなみに一番印象に残っているのは、韓国人作家イ・スンエの「Ahchoo〜Yurimon, Started Productive Cough at Last.」と中国人作家Liu Xiaodongの「Under the Cherry Blossom」。イ・スンエの作品は、黒とオレンジの限られた色彩で描かれた複雑で有機的なモノが画面からはみ出し、壁面にも伸びている様がとても美しく適度な緊張感を感じさせ、上記のような展示空間の負の要素を全く感じさせない完成度ある空間を作り出していた。Liuの作品は、森の中にある桜の木の下で女体盛りを囲む中年男性の図(作家による発案)、というあまりにも滑稽な図ではあったが、その絵がどれくらいの早さで描かれていくのかを示すドキュメントもあり、絵画として鑑賞するのではなく、パフォーマンスとして考えるとなかなか興味深い。
辛口コメントになってしまうが、見終わってカタログを眺めていても、やはりなぜこの人選だったのか、特に日本人作家の人選については?マークが浮かんでしまう展覧会であった。
『ZAIM開館1周年記念 「ART LAN@ASIA」』
会場: ZAIM
スケジュール: 2007年04月21日 ~ 2007年05月13日
住所: 〒231-0021 横浜市中区日本大通34
電話: 045-222-7030 ファックス: 045-662-0509
by ayya-i10x
| 2007-05-03 22:20
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